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ベンチャーvs大手と市場価値

「ベンチャーか大手か」「A社かB社か」――就活生から寄せられる企業比較の相談は尽きないが、Utsuさんの回答はいつも一貫している。表面的な条件やイメージではなく、業界の構造や仕事の中身まで踏み込んで考えろというスタンスだ。ここでは商社・金融・営業職などをめぐる具体的な二択相談から、株価やSDGsといった企業の見極め方に関する質問まで、Utsuさんならではの切り口をまとめた。

Q. 株価が耐えている企業でも、業績が落ちる可能性はありますか?

A. Utsuさんは、「株価が耐えている企業」というコメントに対し、日銀がちょろっと買い支えしているだけの企業が多いと指摘する。そのうえで、それを知ったところでどうするのか、自分の行動が変わるわけではないだろうと述べ、自分の行動が変わるような質問をしてほしいと答える。

Q. 伊藤忠商事と三菱商事で迷っています。決め手は、ITを用いた新しい商品サービスを世に広めていける点です。

A. ITを用いた新しい商品サービスという観点では三菱商事の方が進んでいるとUtsuさんは指摘する。ただし、いわゆる「いいところの子」でない場合は昇進が難しい側面もあるため、そうした昇進のしやすさも重視すべきだとUtsuさんは語る。

Q. 野村證券と大和証券、昇進や業務の中で学閥の影響が小さい環境はどちらでしょうか?

A. Utsuさんは、野村証券と大和証券のどちらも学閥の影響はあまり大きくないと語る。その上で、迷うなら野村証券に行っておけば間違いないという見解を示す。

Q. パーソルキャリアとハウス食品、若いうちに営業力をつけたいならどちらが良いですか?

A. Utsuさんは、営業力を身につけたいという観点であれば人材業界(パーソルキャリア)はやめておいた方がよく、ハウス食品に行っておけばよいと指摘する。そもそも「営業力とは何か」を考えていないから両者を単純に比較できてしまうのだと語る。ハウス食品の営業はスーパーマーケットに頭を下げることもある仕事であり、そうした泥臭さも含めて営業力を捉える必要があるとUtsuさんは答える。

Q. アクティオとコベルコ建機日本で迷っています。直販営業の力をつけたい、お客様の事業により深く入り込みたいという観点でどちらが良いでしょうか。

A. Utsuさんは、アクティオについては詳しくないと前置きしつつ、直販営業という点ではお客様の事業により深く入り込めると思うと語る。

Q. 大手IT・BPO系の2社を比較し、営業力を身につけられるのはどちらか知りたいです。

A. Utsuさんは、挙げられた2社はどちらも要員派遣的な事業がメインであると指摘し、そもそも営業力がつくかどうかという観点で比較する話ではないと語る。むしろ問われるべきは営業力の問題ではなく倫理観の問題だと断言する。

Q. 大同生命と明治安田生命で迷っています。営業力と社外との関係性を重視したいです。

A. Utsuさんは、「営業力と社外の関係性」という選定軸自体が分かりにくいと指摘し、もう少し別の観点で比較検討した方がいいのではないかと語る。その上で、基本的には明治安田生命を選んでおけばよいとし、保険業界はやはり大手を選ぶべきだと断言する。明治安田生命について、Utsuさんは「やっぱりすごい」と評価している。

Q. 企業のSDGsへの取り組みレベルや経営層の感度は、どこを見れば分かりますか?

A. Utsuさんは、プレスリリースを判断材料にする人が多いが、それは違うと指摘する。プレスリリースは広報が出しているものであり、広報が独走しているだけのケースも多いためだという。

Utsuさんによれば、SDGsへの感度が本当に高いかどうかは、実際の製品やサービスのホームページ、マニュアルなどに必ず表れるという。そこを他社と比較することが重要だと語る。常に他社と比較する姿勢を持っていれば、「なぜその会社でなければならないのか」という軸のない志望動機にもならないと述べる。さらに、国内企業同士だけでなく外国の競合とも比較することで、実態が見えてくるとUtsuさんは答える。

Q. 生命保険業界で、お客様に1番近い現場で安心を提供したいと考えています。代理店営業の現場は最前線と言えますか?

A. Utsuさんは、まず「生命保険の保険」という表現自体が誤りであるため注意が必要だと指摘する。そのうえで、代理店営業の現場は最前線であると答える。あわせて、鉄道会社の採用については倍率が10倍程度になることもあるため注意が必要だと語る。

Q. FAメーカーの商社営業(ルートセールス)と直販営業の違いについて。直販営業を志望しており、注文を受けるだけの受け身営業ではなく、自分からアプローチする営業をしたい。

A. Utsuさんは、FAメーカーの中には直販部隊があり、そちらがエースだと指摘する。インテグレーター側になったとしても直販を選ぶべきだと語る。ルートセールスについては本当に意味がないと断言し、生成AI時代になるとルートセールスのご機嫌取りが一つの仕事として評価される時代にもなるが、価値が高い仕事ではないので目指さなくてよいと答える。

Q. ZOZOがヤフーに買収されたことで、ファーストリテイリングやアパレル業界にどのような影響があると思いますか?

A. Utsuさんは「影響はない」と一言で答える。誰も買わないだろうとのことである。

迷ったときこそ、目先の条件比較ではなく本質を突く視点を持てるかどうかが問われる。