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目的が自分にしか向かない・深掘りの行き詰まり

「人生の目的」を深掘りしていくと、対象が組織や社会ではなく自分自身にしか向かなくなったり、言葉が抽象的すぎたり、逆に達成可能な目標になってしまったりと、行き詰まりを感じる就活生は少なくない。ここでは、実際に就活生が仮決めした人生の目的をUtsuさんに評価してもらったやり取りを紹介する。Utsuさんは「達成できることは人生の目的ではない」「なれることは人生の目的ではない」という基準を繰り返し示しながら、それぞれの言葉のどこが甘いのかを率直に指摘していく。

Q. 人生の目的を「物事が正しく評価されることを通じて、誤った判断を無くす」と定めている。自己肯定感が低い人は世間のものさしで自分を評価し、誤った判断をしてしまうと考え、絵本やブログでの発信に取り組んでいる。この人生の目的と現在のDoingとの差異を知りたい。

A. Utsuさんはまず、「物事が正しく評価されることを通じて誤った判断をなくす」という表現について、言い回しが回りくどく分かりにくい点を指摘する。そのうえで、評価する側を変えようとしている話だとすれば、本当に言いたいことは「自分の物差しを持つ人を増やす」ということではないかと問い直す。世間のものさしではなく、自分で自分の世界を見て、作っていくことを通じて、自分の物差しを持った人が増えてほしい、そういう世の中にしていきたい、というのが本来伝えたい内容なのではないかとUtsuさんは指摘する。

Q. 人生の目的を「新たな視点や観点をもたらすことを通じて、その人の生き方や考え方により良い影響を与えること」と仮決めしました。この内容についてどう思いますか?

A. Utsuさんは、まず「新たな視点と観点」という表現について指摘する。視点と観点はほぼ同じ意味であり、言葉として重複しているのではないかと問いかける。また「良い影響」という表現についても、具体的に何を指しているのかが曖昧だと述べる。

Utsuさんは、自分がどういう観点をもたらすのかがしっかり定まってくれば、「良い影響」という抽象的な言葉ではなく、もっと具体的な言葉で表現できるはずだと語る。その上で、まずは自分自身で深掘りを重ねて言葉をリファインし、同世代の人にも伝わるレベルまで練り上げてから持ってきてほしいと指摘する。自分はあくまで最終チェックの役割だと答える。</answer>

Q. 自己PRを話す機会がない面接では、ガクチカで「自分にはこういう人生の目的があり、そのためにこんな活動をしています」と述べてもよいか?

A. Utsuさんは、自己PRを話す機会の有無を特別に意識する必要はないと語る。人生の目的という骨格がしっかりあれば、その骨格に引き寄せられる形で自然と話す内容が決まってくるため、面接では必ずそれを聞かれる場面が来ると指摘する。

「人生の目的を語るのは買いかぶりすぎではないか」という懸念に対しては、それこそが今のその人のあり方そのものであり、どんと前面に出せばよいと答える。隠す必要はなく、サボらずに取り組んできたのであれば、人生の目的をベースにした一貫した自分の姿がすでにできあがっているはずだと述べる。そうであれば「こういう場面ではどう答えよう、ああいう場面ではどうしよう」と個別に悩む必要はなく、それだけで十分だと語る。

その上で、志望企業でやりたいことがあり、そこから3年・5年・10年という小さな目標が導き出されているのは当然のことだと付け加える。

Q. 人生の目的論について就活生向けに発信しているが、自主的に取り組む中で「面倒くさい」と感じることがある。Utsuさんも人生の目的に近づく過程で面倒だと思うことはあるのか。

A. Utsuさんは、朝起きて自分がやりたいことをやっているだけなので、そもそも面倒だと感じるようなことはやらないと語る。1日1個しかやらないと決めており、創造的なことも1日1個までにしていると説明する。それが目的論で生きることの良さだと指摘し、手段は何でもよく、変動してかまわないとする。あくまで自分がやりたいからやっている、その気持ちに忠実に生きることが大切だと述べる。子供に対してもこの考えをしつこく言い聞かせており、「本当にやりたくてやっているのか」を問い、やりたくないならやらなくていいが、やりたくないことをやっているような人間を家には置いておかない、と伝えていると語る。

Q. 人生の目的がまだ詰め切れていません。先ほどのアドバイスを受けて、諦めずに続けようと思います。

A. Utsuさんは、人生の目的を書き出す50枚のワークの中にこそ宝の山があると指摘する。似たような要素は引き出しとして残っているはずで、たった1つのエピソードだけで結論を決めるものではないと語る。人生の目的が詰め切れていない程度であれば十分間に合うので大丈夫だと述べる。ただし、今困るべきなのはどの会社を受けるか定まっていない状態であるとし、ITやコンサルのような、特定の志向がなくても通用する業界にはとりあえず応募しておいたほうがよいとアドバイスする。

Q. 人生の目的は「ぶつからない車を作る」ことです。完成車メーカーや大手電機メーカーのセンサー部門などを志望していますが、理系で推薦枠がほぼないのが悩みです。

A. Utsuさんは「ぶつからない車を作る」という回答について、それは人生の目的にはなり得ないと指摘する。人生の目的とは達成できるものではなく、近づき続けるものであるべきだと語る。達成できてしまうもの、つまり「作ったら終わってしまう」ようなものは目的として不適切だと断言し、人生の目的の定義そのものを改めて理解するよう促す。

Q. 「世界の人々を笑顔にするインフルエンサーになる」ことが人生の目的なのですが、これは抽象的でしょうか?

A. Utsuさんは、その内容についてまず「なれること、つまり達成できることは人生の目的にはならない」と指摘する。「インフルエンサーになる」というのは実現可能な目標であり、その時点で人生の目的とは言えないというのがUtsuさんの考えである。そのうえで、質問者に対し「本当に(過去の説明を)読んだのか」と、前提となる話をきちんと理解しているかを問い返している。

Q. 「多くの人に新しい気づきを与えて、笑顔な社会をつくる」という人生の目的は抽象的でしょうか?

A. Utsuさんは、この質問自体が既存の説明内容で答えが出ていると指摘する。人生の目的が抽象的か具体的かの判断基準として、目的が抽象的であれば手段は大企業になりやすく、より具体的であれば説明もしやすくなるという整理をすでに示しており、その基準に照らして自分で判断できるはずだと語る。

Q. OB訪問で、人生の目的に対して実際には動き出せていないことを指摘されました。今すぐにでも動き出そうと思います。

A. Utsuさんは、動き出せていないという時点でそれは本当の人生の目的とは言えないと指摘する。

Q. 22卒文系です。「ものづくりを通して安心安全かつ快適な暮らしを提供したい」という目的を持っていますが、これはゼネコンやサブコン以外にも当てはまる業界はありますか?

A. Utsuさんは、「ものづくりを通して安心安全かつ快適な暮らしを提供する」という表現について、そもそも「ものづくり」という言葉は一般的にメーカーを指す表現だと指摘する。ゼネコンの場合は「ものづくり」ではなく「建物づくり」という言葉が適切であり、ゼネコン業界において「ものづくり」という表現は通じないだろうとUtsuさんは答える。

Q. グルーピング作業の終盤で仮説の対象を絞る際、対象が組織や他人ではなく自分自身に向いてしまうことが多いです。このまま自分以外に向けたいと思えれば、それを人生の目的の仮説として進めてよいのでしょうか?

A. Utsuさんは、人生の目的のフォーマットに沿って具体的に話してもらえればもう少し踏み込んで答えられると前置きしつつ指摘する。例えば「心が楽になるから」という理由を掲げていても、それに対して「他に手段はないのか」と問われた際に、マーケティング会社やコンサル会社に入れば心が楽になると言われても納得感が薄いと語る。そのうえで、どの会社に入っても心は楽にはならないと断言する。

言葉の抽象度や対象の向き先に迷ったときこそ、達成できるかできないかという基準に立ち返って自分の目的を見直したい。